Teaching Materials A La Carte

当校では毎年世界中で注目を集めている人物や事件、問題点などをテーマにトレーニング用の教材を作っております。
ここでは毎年のテーマと生徒に人気のある教材をご紹介したいと思います。

Dear Future Generation

今年のテーマです。各所に出てくる「Sorry….」という言葉が気に入りました。 ミュージシャンだけあって、ラップ的なリズムとテンポの良さにひかれました。発音も米語標準語に近く大変聴きやすく、独特の表現の仕方で話しているので今年のトレーニング用テーマにしました。
内容はやはり環境問題ですが、ちょっと違う視点で話してくれているので興味深いです。
ただ、「どこで息継ぎをしているのかな」と思うほど話し方が非常に早くて長いスピーチなので生徒さんたちはちょっと怖気づいています。
でも、ナチュラルスピードで話すことを目的にトレーニングしてきたので、私は最高の教材だと思っております。しっかり真似してやってもらいましょう。

生徒さんお気に入りの教材

Nature is Speaking

2015年のテーマです。
ジュリアロバーツ、ハリソンフォード、ロバートレッドフォード、ペネロペクルス、などの超有名俳優がノーギャラで環境問題に一石を投じた、美しくすばらしいスピーチです。それぞれが、母なる大地、海、サンゴ礁、熱帯雨林などになりきって私たち人間に苦言を呈しています。
彼らの表現力の素晴らしさと文章のわかりやすさが大変気に入り教材で使わせていただきました。ただ、スクリプトや日本語訳がないので、生徒全員にそれぞれのスピーチをディクテーションさせたことが、逆にリスニングの勉強にもなりました。生徒お気に入りの教材の一つです。

http://www.conservation.org/pages/video.aspx

「ICE」の練習風景※掲載音声の説明
先生のダメ出し付の完成前
BGM付の完成後の音声

Malala’s Speech at the United Nations

2013年、国連における勇気あるマララさんの「ペンと本で世界は変わる」という有名なスピーチです。このスピーチを勉強することによって、世界に存在する貧困と無学、飢餓などの深刻な問題に目を向けることができました。

Nelson Had AIDS

長野県立高校の入試に出た問題です。あまりの素晴らしさに試験を受けている生徒たちの中からすすり泣きが聞こえてきたという逸話があります。
転校してきたエイズの少年とクラスメートの本当にあった友情物語です。
文章はわかりやすいのですが、内容は大変深くAIDS について改めて考えさせられ、私たちもこのクラスメートのようにできるかなと思いました。

このお話を勉強した後に、ある医大の先生が偶然アフリカにAIDSの視察に行くことになりました。村全体がエイズに感染している過酷なところだったと言っておりました。
初めてその村に着いた時、子供たちが喜んで大勢走り寄ってきたそうです。
でもその瞬間、彼女は少しだけ「後ずさり」をしてしまったのだそうです。
もちろんすぐにみんなを抱きしめたので、誰も気づかなかったと言っておりましたが….。
帰国して授業にいらしたときに「先生、私は偽善者です。医療に携わっていてうつらないとわかっているし、生徒たちにもエイズは空気感染しないから大丈夫と教えているのに、私は一瞬でも後ずさりしてしまった」と言って泣いておりました。
彼女は今でも後ずさりしたことがトラウマとなって悩み続けています。
AIDS という過酷な病気は、罹患している人もしていない人も、不幸にすると思いました。

An Unexpected Happening 当校訳

これは東京ディズニーランドで、お客さまとアルバイトの間に起きた本当のお話です。
単なるアルバイトに過ぎない青年が規則を破ってまで押し通してくれた対応とは何だったのか、その行為が一組の夫婦に生きる希望を与えました。彼は自分の行為を次のように言っております。「The manual is just a basic rule 」…. と。
ちょっとした小さな言葉や行為が人を励ましたり、傷つけたりするということを私たちにも教えてくれた大変素晴らしいお話です。

Martin Luther King Jr. Last Speech and RFK on the Death of Martin Luther King Jr.

キング牧師最後のスピーチとロバートケネディが牧師にささげた哀悼のスピーチです。
本文は大統領候補としてインディアナ州インディアナポリスに遊説中、人権活動指導者キング牧師の暗殺の報に接した直後に行ったスピーチの全文です。
黒人勢力からの暴力的報復を懸念する側近の静止を振り切って群衆の前に登壇。原稿なしの即興スピーチでキング牧師への哀悼の意を表し、暴力主義と対決する姿勢を鮮明にして合衆国の人種間の融和を訴えた。このスピーチで黒人層の支持を取り付け、民主党の最有力候補に躍り出た。 しかし2カ月後の6月5日、カリフォルニア州予備選挙に勝利し、勝利宣言を行った直後、ヨルダン系移民に背後から狙撃され、翌朝死亡。
参考:ブリタニカ国際大百科事典(Britannica刊)

私たちはこの感動的なスピーチに、拍手などの効果音と物悲しいBGMをつけて臨場感あふれるシチュエーションを作りロバートケネディになりきって練習しました。

私は人生の黄昏へ旅立つ

アメリカ国民に向けてアルツハイマー病を告白するレーガン大統領の感動的な手紙です。私たちはこの中の「黄昏」という言葉にフォーカスして授業を行いました。

日本人は「黄昏」という言葉に対してあまりいい印象は持っていないと思います。
例えば、終わり、くたびれている、最後など、どれも人生の終焉を意味しているような感じで使われています。私も初めはそう思っておりました。

表題の黄昏へ旅立つという言葉も人生の終局に向けて旅立つと解釈しておりました。
でも違うのです。

カズオ・イシグロ の名作「日の名残り」を読んで目からウロコが落ちました。その中で「黄昏」は次のように書かれておりました。

「The evening is the best part of the day」

そうなんです、「黄昏」は決して最後でも終わりでもないのです。レーガン大統領は人生の一番素晴らしいところに向かって旅立っていくのです。こんな風に思えたとき涙が止まりませんでした。

どうぞ皆様も一度は カズオ・イシグロ の名作「日の名残り」を読んでみてください。なぜ名作と言われ、ブッカー賞をはじめ数々の賞を受賞したのかがきっとわかるはずです。

既存の小説や出来事も少し視点を変えてみてみると新しい発見ができ、新たな興味を持つことができて勉強になると思います。

このほかにも素敵な教材があるので順を追ってご紹介していきたいと思います。また、URL にない教材は原稿をお送りすることもできますので、興味のある方は事務局までお問い合わせくださいませ。

 

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